2002/04/29

4月29日(月)

 「春眠」といえば聞こえがいいが、自分の場合はそれぞれの季節ごとに「眠」の字がつく。こと眠りに関しては、自分の場合、季節限定ではない。

 全く持って情けない話だが、このところ「目覚めるとすでに12時半」という事態が増えている。

 何が悪いのかというと、まずもって寝る時間が遅すぎる。午前3時4時は当たり前で、酷い時には5時半や6時にようやく床に就くこともしばしばある。

 何故にそんな時間に寝るハメになるのかというと、仕事のほとんどを夜にしているから。日中は商品の買取・整理・袋詰で忙殺されるので、一番カネを生む通販関係はどうしても夜の作業になってしまう。

 その上、最近はオークションなどにも参加しているおかげで、出品や発送、相手との連絡が煩雑になってしまい、さらに作業効率を落としている。 こんな事では、いずれ店も通販も共倒れになってしまいそうだ。

 オマケにここ10日ばかり、持病(?)の肩凝りがひどく、左手の肘から下がしびれて、集中力も落ちている。それが作業効率をさらに悪くしている。

 仕事を増やせば、なるほど収入も増えるが、それはどうも自分のペースには不似合いな収入のように思える。なので、申し訳無いが少しペースダウンをさせていただこう。

 常連さんには全く申し訳無いが、HPの「少年漫画」と「少女漫画」はしばらくお休みさせていただくこととする。またいずれ再開するつもりだから、それまで「良質の在庫」を蓄える為の充電期間を下さい。

 さて、本日は3連休の最終日。天気は上々、風も温めの燗のよう。空の端の遥か遠くに少し汚れがあるけれど、どこへ行くにも最高の日和。

 もし自分がサラリーマンだったら、今日という日は絶対に無駄にしない。絶対に秘密の古本屋などへお宝捜しに行っている。(もっとも、人はそれを「無駄」と言うのだろうが・・・。)

 今年のゴールデンウィークは、カレンダーを見る限りでは、4月27日から29日と、5月3日から6日までと真っ二つに分断された形になっている。多くの人々はカレンダー通りの休みだろうから、本日はゴールデンウィーク第一弾の最終日ということ。

 こういう連休の最終日には、前日までに遊び倒してカネを無くした連中が本を売りに来るから、買取用のスペースを予め作っておく必要がある。そう思って、昨夜のうちにバックスペースのダンボールをいくつかアパートに運び込んである。

 さあ、どこからでも来い!の構え。だが、結果的にはさほどの買取も無く、しかも入ってきた本のほとんどが綺麗なセットモノだったので、今日のうちに商品として店に出すことができた。

 かと言って、やれやれと安心してばかりもいられない。まだ、一週間後には第二弾の最終日が待ち構えている。「行きはよいよい」じゃないけれど、おおよそどこか出で帳尻が合うように出来ているのだから、来週の日記では恐らく泣き言から始まるのだろうと思う。その時は、頼むから黙って読んでやってくれタマエ。

 夕方、メールチェックをするとオークション出品中の商品に対して質問が入っていた。内容は「30000円出すから、早期終了をして欲しい」というもの。え?サンマンエン?そんなに価値のあるものは出していないぞ、と思うのはこちらの思い込みが強いせい。

 モノの価値観は多種多様。しかも古本屋という人種は、過去の価値観に縛られている人が多いからなおのこと。

 そのシナモノは、秋田書店の「冒険王」。なんでも、その中のある作品が、単行本収録版と異なるもので、その人にとっては「幻中の幻」の作品なのだとか。その作品が読みたくて国会図書館まで足を運んだが、なんと当の号のみ盗難にあっていて読めなかったそうだ。

 こちらとしては、オークション開始値が1000円という数字が表す通り、「せいぜい行っても5000円」と思っていたものだったので、一も二も無く手を打たせていただいた。

 もし当の方がこの拙文を読んでいたら、再度お礼を申し上げます。

 その一件で、今日は気持ちがうんと楽になった。もう店仕舞いして、春の海でも見に行こうかなんて思ったりもしたが、よく考えると本日はロクに売上が上がっていない。

 それはいつもの事だろう、と言う人もいるだろうが、明日は4月最後の日。故に家賃やらなにやら支払いがある。

 計算上では充分に足りるはずだが、どんなアクシデントがあるや知れないと考えると、この上僅かでも上積みが欲しいところ。

「ああ、カネカネカネの人生か・・・」などと呟きつつ、春の海を夢想しながら仕事に精を出していたら、本当に僅かにだけ上積みがあった。

 9時半、シャッターを降ろす。その音が、なんとなく波の音に聞こえた。

 なんて書くと、いかにもキザだね。

本日の売上=16580円(19人)
内訳(
少年漫画?6880円、
少女漫画?2050円、
写真集?1800円、
一般書(小説等)?3500円、
雑誌?2350円)
買取=7730円(6人)
現金残高=8850円
来客数33人レジ打ち19人
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2002/04/22

4月22日(月)

 本日をもって当店は2年目に突入である。

 思えば、あっという間の1年でした。無我夢中でやって来たこの1年。離れていったお客さんも多いけれど、新たにやって来たお客さんのほうが多い事を考えれば、決して正しいやり方でもなかったけれど、あながち間違ったやり方でもなかったのだなと思えます。

 これからの道もまるで予想はつかないけれど、微かに見える明かりを頼りに頑張っていこうと思います。
何はともあれ、本日まで自分を支えてくれた人々に
は深く感謝しています。

 昨日は日曜だと言うのに、思った程の売上にはならなかった。しかも大きな買取があったので、現金はほんの僅かしか残らなかった。月末に大きな買取があると、持ち込んだ人間が憎々しげに思えるものだが、今回ばかりはそうはならなかった。

 何故と言って、入荷したシナモノが絶品だったから。

 まず、松本零士の直筆サイン色紙。17年前の物だが、イラストも入っているし、サインも大きめだ。売れなくともヨシ、のつもりで買った。

 他は、スタジオジブリ中心の新品ポスター八十数枚。販促用もかなり入っている。と言うのも、持ち込んだ人間がそもそも関係者だったから。それにしても、よくぞこんな状態を維持したものだと思わず唸ってしまった。本来ならばポスター類は買い取らないが、ここまでの物ならば買わなきゃ嘘だろう。

 と、そんなこんなで大量の買取があった翌日は、店内の整理から始まる。狭い店でセコイ商売をやっているので、いつまでも在庫を放置しておけないと言うのが最大の理由だが、実は最近になってもう一つ理由にすべき事情が出来た。

 いつかの日記でも書いたと思うが、当店はアダルト商品の売れ行きが芳しくない。なぜかと言うと、コーナーを設けている場所に問題がある。

 店内の一角を区切って無理矢理コーナーとしているのだが、そうすると状況しだいで「買いづらい」というお客さんが出てしまうのだ。

 それだけならまだしも、カウンターからの死角を利用して、始めから金など出す気がない輩が出入りしてしまう。

 それならばいっそ、他のお客さんからは見られることもなく、かつまたカウンターからは丸見えの位置、すなわちバックヤードにアダルトコーナーを移してみてはどうかという発想に至り、先週の木曜日に突貫的に改装を行った。

 おかげでアダルトコーナーは売り場面積も広がり、それに伴って商品を充実させる事が出来た。だがしかし、バックヤードはこれまでの半分以下になってしまった。解ってはいたが、いざそうなると結構厳しい。

 これまで、取りあえず脇にどけておいて、暇を見て作業をするという古本屋ならではの黄金比に則った仕事が、一切許されなくなったのだ。

 即座に商品化か、さもなくば廃棄という、恐ろしくスピーディで短絡的な決断が要求される事になっている。これはまずいことだ。常に最小の在庫で回転できるのは、商売としては理想だが、古本屋としての将来を考えた場合、とても薄っぺらな本屋になってしまいそうだ。

 そういう犠牲を払ってまで売り場面積を増やしたアダルトコーナーが、今後売上を伸ばしてくれればいいが、もし、それほどの伸びを示さなかった場合、当店はただ薄い本屋として生きていかねばならない。

 もっとも、そうなったらそうなったでまた無い知恵を絞って遣り繰りはしていくのだろうが。

 ともあれ、かく言う事情で、現在店内には余計な在庫を置くスペースがほとんどなくなっているのだ。そうでなくとも通路のそこかしこには、いつの頃からかのダンボール箱が転がっている。

 早々に何とかしなければ、格好悪くて仕方が無い。仮に皆が良くても俺はイヤだ。イヤだイヤだで、1年もそのままだ。

 どうなっているのだ、この俺は!

 さて、店内には昨日のポスターがどっさりと転がっている。それが現実だ。その上、元アダルトコーナーには未整理の小説などが乱雑に突っ込んである。

 前回3回分の売上明細を詳しく見ている方はご存知だろうが、当店では小説などの読み物が結構売れている。つまり、それだけその方面のお客さんに恵まれていると言う事なのだ。

 なので、それら未整理のままの本に興味を持ってくれるお客さんが、後を絶たない。中には、「もう三日も待ってるんだから」と言って、強引に司馬遼太郎などを買っていってしまうお客さんもいる。

 それ自体は非常にありがたいのだが、こちらとしては埃のついたままの本を買ってしまわれるのは非常に心苦しい。せめて一度くらいは拭かせて欲しい。となると、作業的には未整理本の処理から始めなくてはならないところなのだが、ポスターはポスターで非常に邪魔になる。

 ひとしきり考えた挙句、まずはポスターを素早く整理し、その後に未整理本に取り掛かるべし、という結論に達した。つまらない事だが、こういう順番を間違えると、一日中チグハグな仕事をしてしまう事にもなりかねないのだ。

 ところが、イザ作業に取り掛かろうとしたその時から、チラリホラリとお客さんがやって来るではないか。これまでならば、通路に立ったまま作業をしている最中にレジへ呼ばれても何ら苦にはならなかったのだが、改装時にカウンターをL字にしてしまったので、通路からカウンターへ入るという行為がやや億劫になってしまった。

 一度や二度ならばまだしも、五度六度となるとさすがに面倒くさいし、お客さんもじれったくなるだろう。

 というわけで、ポスター整理は断念。衣装ケースに全部を突っ込んで通路に放置し、カウンターに根を下ろす。だが、これが結果的には正解となる。

 午後7時にIさんが来店し、ぶん投げてあったポスターの半分を買ってくれた。これが綺麗に丸めてあったら、Iさんも怖気をふるって手をつけなかったことだろう。ホッと胸をなで降ろす瞬間。

 が、気が緩みすぎたわけでもあるまいが、値段を聞かれたときに、ついうっかり安値を言ってしまった。勿論、高く売るつもりなどサラサラ無かったが、いい物とそうでもない物とで、値段に差を付けようと思っていた。その際の一番下の値段を言ってしまったのだ。

 通常、本の値段くらいは反射的に出てくるのだが、今回はモノが専門外と言う事もあり、値段のことなど露ほども考えていなかったので、なんの衒いも駆け引きも無く聞かれたときに、つい反射的に底値を答えてしまったのだった。

 「え?そんなもんでいいの?」

 しまった!と思っても、もはや時すでに遅し。かくしてナウシカを始めとするジブリの新品ポスターは、一枚100円でIさんのモノとなる。

 9時、またもやOさん来店。近頃毎日来るので、会話も滞りがちだ。けれど逆に、話し易くもなってきている。なので、この機に乗じてと言うわけでもないが、恐る恐る、昔の話などを引き出す。と、出てくる出てくる。

 とても全部は書けないが、一番強烈なのを一つ。 

「昔さぁ、銀行とか大きな企業に行くとさ、黙ってカネを渡されたんだよな。で、月一回ずつ行くわけさ。そうすっと、机の引出しから札束出してさ、ポンとよこされるんだね。当時で1回20万さ。それを何箇所も回るのね。結構いいカネになったよ。別に何かするわけじゃないんだよ。でも、くれるの。だから、貰う。10年続けたね。ウハハ」

 その頃に知り合えたら、きっと俺も同伴していただろう。

 近しい人々に念のため断っておくが、こんな事書いているなんて、本人には言わないで欲しい。

 でないと、今度は俺が20万円払うハメになってしまう。

本日の売上=15220円(19人)
内訳(
少年漫画?3870円、
少女漫画?600円、
写真集?2000円、
一般書(小説等)?6100円、
雑誌?2650円)
買取=730円(2人)
現金残高=14490円
来客数不明レジ打ち19人
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2002/04/15

4月15日(月)

 先週の日曜日からひき始めた風邪が、まだ尾を引いている。

 月・火と何とかやり過ごしたものの、水曜日あたりから悪化の道を辿り始めた。幸い、木曜日は定休日だったのだから、徹底的に寝るとか医者にいくなどすればよいものを、YAHOO!オークションの出品やバンドの練習などで、結局は休むことなく金曜日の朝を迎える事になってしまった。

 朦朧とした頭と、節々に痛みを抱えた体で店を開けたのはいいが、一日中何をやっているのか解らないような状態。

 夜になり、お客さんが引いた頃合を見計らって早々に店仕舞いをしようと企てたが、そんな日に限っていっかな客足が途切れやしない。そして、とうとうそのまま定時を迎えてしまった。

 ふらふらになってシャッターを降ろした途端に、ふと雑誌棚を見ると、ものの見事にすっからかん。そうだ、毎週金曜日は雑誌を仕入れに行く日だった。いくら体調不良でも、今日という日を逃すと、来週の火曜日まで雑誌棚がガラ空きのままだ。そうなると、お客さんがガッカリするだろう。

 それに、明日の土曜日に店を開けられるかどうかは微妙なところだが、日曜日には確実に営業しているわけだから、土曜の夜に病床から這いずり出て仕入れに行くよりは、多少無理の利く今夜の内に行っておいたほうがいい。

 そう思うが早いか、とっとと車に飛び乗って猛然と仕入先へ。

 土曜日は、やはり朝から絶不調。ベッドから出たのはいいが、いかんとも体が言う事を聞かない。本能が労働を拒んでいる。腰がギシギシと唸りを上げているのは、熱がある証拠。ずっと昔からそうだった。発熱など、体に異変があると、必ず腰が痛んだ。

 よって、予定通りの「本日休業」。サラリーマン時代にも、毎年一度、必ず大きな風邪を引いて3・4日休んだものだが、この稼業を始めて以来初の病欠。 

 ベッドの中で、一人天井を見つめつつ、あれやこれやと考える。今日出来なかった仕事を明日に伸ばした場合、影響が出るのはどれとどれか、放棄してしまわなければならない利益は、後々どうやって回収すればよいか、等。一通り考えて、ふと苦笑。

 熱にうかされた頭で考えた事なんて、あてになるものか。

 やがてウトウトして、目覚めるともう夕方。汗だくになった体を拭いて、着替え。

 そういえば、昔は風邪を引いて寝ていると、必ずといっていいほど、可愛い後輩や頼りになる上司が見舞いに来てくれたものだが、今となっては誰も来よう筈がない。

 薄暗い部屋で、ぽつねんと独り煙草を吸う、ああこの寂しさよ!きっと俺は、死ぬ時も独りぼっちなんだなぁ。30年後の我が身が束の間脳裏をよぎるが、慌てて打ち消して食料の買出しに外へ出る。

 明けて日曜の朝。幾分調子も良くなったし、そうそう休んでもいられないので、多少熱の残る体をだましつつ店を開ける。ただし、限界を感じた時点で早々に閉店をするハラ。

 夕方までは、どうにか持った体も、だんだんヤバくなってきた。

 8時ごろ、客足が途切れたのを幸いに、イザ店を閉めようとしたら、そうはさせじと人が来る来る。いつもは全然来ないくせに!

 とうとう、10時半まで行ってしまった。定刻を1時間も越えてしまった。もう駄目。もう入れてやらない。

 そして、いよいよ本日。なんと長い前振りか。何故こんなに前振りが長かったのかというと、体調が戻った本日そのものに、まるで書き記すべき事がなかったからだ。

 朝起きた時点では、体調はまだ昨日の続きだったが、悪い中にも復調の兆しを見せていた。その証拠に、昨日まであれほど苦しかった腰が、今朝は嘘のように軽い。

 これは、夕方までには回復するだろう。薄曇りの空だが、眩しさに溢れた今日の天気が、全てを暗示しているようじゃないか。心ウキウキワクワクで出勤。 

 心が軽けりゃ、体も軽い。エイヤ!とシャッターを開けると、真っ先に目に飛び込んできたのは、ダンボール箱。たった一つだけ、ぽつんと置いてある。

 コレハナニ?中を見ると、本が入っている。ちょいと新らし目のハードカバーだ。ラインナップを見ているうちに、気がついた。これは恐らく常連のSさんの買取だ。

 きっと時間より早く来てしまった為、仕方なくここに置いて、後でまた来るつもりだろう。と思っていたら、来た来た。開店後一番最初のお客さんはまさしくSさんだ。いつも良い本をありがとう。

 2時半、半分業者のFさん来店。Fさんは、S書店にプレミアマンガを出品している人で、私とももう4年ぐらいの付き合いになる。

 Fさんと会うと、いつも開店初日の事を思い出す。あの日は、開店前からコレクターのお客さんが10数人も駆けつけて、店の前に列をなしていた(今となっては信じられないだろうが、本当だ)。その先頭に並んでくれたのがこのFさんだった。

 Fさんは、入店するなり7万5千円の本と1万円の本を買ってくれた。それが呼び水となって、他のお客さんが、我も我もと高価な本を買ってくれたのだった。

 あの日の閉店後の集計レシートは、まさしく大トグロだったものだ。30数万円の現金を握り締め、一人高笑いをしたあの日が懐かしい。あれから時は流れ、栄枯盛衰。祇園精舎の鐘の音を、俺はいつの間に聞いてしまったのか。

 しょっぱなから万単位を打った縁起のいい筈のレジも、最近ではお見限りで、金額表示のセグメントはいつからか使用頻度の低い「万」の位を表示してくれなくなった。「万」の位の部分から上が、非常に暗いのである。最近では、「千」の位ですら怪しいほどである。

 6時、夏でも長袖(の筈)のOさん来店。「いやぁ、まぁたコーキ君の顔見たくなってさぁ」なんて言っている。いや、自分もOさんの半袖姿が見てみたいものです、とは(口が裂けても)言わず、ニッコリ対応。

「俺、邪魔じゃないか?」としきりと気にするOさんだが、全然そんな事はアリマセン。今日はお客さんもほとんど来ていないから、ゆっくりしていってください。ホラ、耳をすませば鐘の音が・・・。


 10時、閉店。
 本日の売上=8200円(15人)
 内訳(
 少年漫画?2950円、
 少女漫画?600円、
 一般書(小説等)?2400円、
 雑誌?2250円)
 買取=7840円(6人)
 現金残高=360円
 来客数25人
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2002/04/08

4月8日(月)

 朝起きて時計を見ると、あろうことか午後12時半。

 何時もならシャッターを開ける時間。誰か替わりに開けてくれれば何事も無しなのだが、ご存知の通り当店に従業員はいない。

 束の間、「本日休業」の文字が頭を掠めたが、常連さん達の顔を思うとそうもいかない。

 シャッターの前の「長蛇の列」を夢想し、いそいそと出勤。綺麗に晴れ渡った空から、降り注ぐような眩しさを感じる。

 1時15分、定刻より45分遅れで開店。シャッターの向こうには、案の定長い蛇もトカゲの尻尾もありはしない。子供達の春休みも昨日で終わった為、静かな午後のスタート。店の前の自動販売機でウーロン茶を買い、新聞を広げる。

 自分が真っ先に見るのはスポーツ欄。そのスポーツ欄の中でも、さらに真っ先に見るのが千葉ロッテのメンバー表。昨日7点も取られたのは誰だ!

 2時30分、東京から来たという若い男性が来店。わざわざ花の都から、むざむざと当店如きに足を運んで、一体ナニをお探しか。

 ウチの店は、一度入ると手ぶらでは帰り辛いぞ。ホラ、気の毒に、無理やり買える物なんか選んでる。

 そういえば、先だってフラリと立ち寄った様子の女性が、さんざん店内をうろついた挙句「すいません。何も買わないんですけれど、店を出てってもよろしいですか?」なんて言っていた。

 その時は笑っていたが、後で考えると、実は笑えない事なのだということに気付いた。

 4時、しばらく振りにWさんが来店。

 だが、折悪く今はアダルトビデオを買いにきたお客さんが、品定めをしている最中。Wさんはカウンター前にべったりと張り付く人なので、アダルトビデオのお客さんがいる時にはご勘弁願いたい部類の人。

 やばいなぁ、と思うまでも無く、やっぱりアダルトのお客さんは恐れをなして逃げていってしまった。

 あと5分あれば決められたところだったと思うのだが・・・。前回の日記では子供のせいにしていたが、事実を申せば、ただでさえ少ないアダルトのお客さんをさらに少なくしているのはカウンター前の常連さん達だ。

 始めのうちは、「アダルトなんていつでも売れるさ」と、うそぶいていたが、それも程度次第だということ。

 中には、アダルトのお客さんが来た瞬間に、さっと身を隠し、店の隅で同人誌などを立読みしてやり過ごしてくれる常連さんもいるけれど、数で言えばたったの一人。

 特に今日の場合は、レジの前にどっかりと居を構えてしまって、一般のお客さんも困惑顔だった。こうなると、Wさんにはぜひとも5千円くらいは使って欲しいところなのだが、そううまくはいかない。

 一般のお客さんならば手ぶらでは帰り辛い筈なのに、綺麗に手ぶらで帰ってくれた。ああ、そう・・・。オミソレしました。

 6時、カウンター周りを整理していたら、なんとなく見覚えのある封筒が出てきた。いや、本当は違う。きっちりと覚えていたけれど、なんとなく忘れていた、と言うべき物だ。

 今更言うには及ばない、例の振込用紙だ。

 ごめんなさい、「じゃんくまうす」様。明日には必ず振込みます。でも、当店の10倍の売上があるそうだから、そんなに慌てなくともいいのかな・・・。 

 7時、Oさん来店。この人は、実はコワイ筋の人のようなのだが、何故か「コーキ君、コーキ君。顔が見たくなったんで来てみたよ」なんて気さくな感じで来てくれる。

 だからと言って、図にのって「Oさん、もっと景気よく買ってくんない?」などと言おうものなら、次の日から奥歯で物がかめなくなる事必定。

 Oさんは、ウチが日本名を「監獄書房」ということをご存知なのだろうか。何か、皮肉めいた因縁を感じるのだが、考え過ぎだろうか。

 週の半分以上は最後のお客さんは近所のお弁当屋さん(Wさん)と決まっている。9時に店を閉めたWさんが、売れ残りのお弁当を差し入れてくれる。

 売れ残りとは言っているが、来る前にわざわざ作って持ってきてくれていることは解っているつもり。その上、時々高額な本を買っていってくれる。これの意味するところも重々解っているつもり。

 10時10分、Wさんを見送りつつ閉店。

 閉店後、一日の集計を取るのだが、その際にレジから本日の明細を出力させる。何時何分に何がどれだけ売れたのか、いちいち印字してレシート用紙を排出してくれる。売れれば売れるほどレシート用紙が長く、逆ならば当然短いわけだ。

 昨年4月の開店直後には、そのレシート用紙が床でとぐろを巻いていたものだが、いつごろからか床にかろうじて届く程度になり、今ではカウンターの天板から若干はみ出す程度になってしまった。

 いつかまたとぐろを巻かせてやる!の意気込みはあるけれど、それが空振りに終わったりすると、どこぞの安酒場でクダを巻く羽目になったりするから、あまり不用意に意気込むのはやめておこう。

 本日の売上=18120円(19人)
 内訳(
 少年漫画?6150円、
 少女漫画?1970円、
 一般書(小説等)?5400円、
 雑誌?2100円、
 プレミア2500円)
 買取=5530円(6人)
 現金残高=12590円
 来客数41人
 レジ打ち19人
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2002/04/01

4月1日(月)

 日記の辛さにネを上げて、替わりに何かもっと面白い事をと始めた「雑居房」であるが、やはりこういったものは物々しく話題を考えて記すよりも、軽く読み飛ばせる物の方が、書いているこちらも楽なのだということに気が付いた。

 よって、コロコロと趣旨を変えるようで申し訳無いけれど、またもや日記形式に逆戻りさせていただく事にする。

 以前は、嘘八百ばかりの、日記とは決して言えないようなものを書いて自分の首を絞める結果となったので、今回からは打って変わって赤裸々この上ない内容で攻めてみようと思う。

 人物の名前については(色々と問題もあろうから)イニシャルで勘弁させていただくとして、その他、来客数や売上、買取金額など、出来うる範囲で事実のみを記していこう。

 ただ、こんな取るに足らないような自分にも多少の恥じらいはあるから、毎日の売上を記すわけにはいかない。そこで、毎週月曜日を「日記の日」と定める事とする。

 何故月曜日なのかというと、今日という日がたまたま月曜日だったから。4月1日でちょうど区切りも良い。

 そして、あくまでも月曜日は動かさない。その時の気分で書くと、売上がいい日を選んだり、また逆に悪い日ばかり選んだりしては、実態がつかめなくなるだろうし、なにより書いているこちらとしても後味が悪くなる。

 では、始まります。

 目覚めると、気持ちのいい青空。こんな日は、店などソッチノケでどこか穴場の古本屋にでも行きたなる。だが、簡単にそうはいかないのが貧乏本屋の悲しいところ。

 大リーグのオープン戦中継を少し観た後、11時30分出勤。途中、郵便局で冊子小包4通を発送。その窓口で、「じゃんくまうす」さんへの振込みを忘れている事を思い出した。

 しまった、と思ってももう遅い。昨日店から帰る時に振込用紙を持って出るのを忘れていたので、今から振り込もうとすれば、一度店へ行った後にまた出直さなくてはならない。

 距離的には僅かでも、チト面倒くさい。それをすると、新聞を読む時間が無くなってしまう。どちらが重要かとなれば、当然振込みのほうになるのだが、今日明日にでも振り込まなければならない性質のものでもないから、明日にしよう。

 なんとなく背後に「じゃんくまうす」さんの恨めしそうなケハイを感じたのは、全くの気のせいだろう。

 12時半、開店。と、すぐにシャッターをくぐるようにして中学生が来店。今は春休みとあって、子供達がそこかしこをウロついている。

 うちもその恩恵を賜っているという感じなのだが、実は本心では鼻白む思いでいるのが事実。子供が増えると大人がうるさがって寄り付かなくなるし、万引きも増える。

 休みも後半になって、いよいよ時間を持て余した子供達は、とりわけ用も無くただウロつくだけなので、店の中がガサついた雰囲気になる。

 立読みの後に本を元通りに置かないし、仲間と連れ立ってやって来ると、大声で騒いだりするのもいる。その他諸々子供はあまり売上に貢献しない。

 それでも、入ってくるものをいちいち止めるわけにも行かないので、春・夏・冬の休み期間中は、こちらは眉間にしわを寄せっぱなし。

 ホラ、アダルトビデオを買いにきたオジサンがホウホウの体で逃げていったじゃないか!

 3時半、綜合警備のT氏来店。防犯カメラの設置を計画しているのだが、担当の彼は、イマイチ要領が悪く、話がうまく進まない。

 こちらの質問に対し、打てば響くような回答をしてくれない。人間は真面目なので、信用しないわけではないが、安心できないのもまた事実。

 もう少し、自社のシステムについて勉強してきて欲しいところ。

 4時、インターネットに接続。実は先月からYAHOO!オークションに参入している。ただ、俺の場合、HPの常連さんと、店頭の常連さんを優先的に考えているので、出品する商品もその範疇から漏れた物になっているので、ご安心を。(また、オークションから新しいお客さんを引いてくる事もしていないので、さらにご安心を。)

 今までのところ、驚くような高値になってしまったのは数えるほど。それだって、恐らく偶然そうなってしまっただけのことで、常連さんたちが聞いたら「何でそんな物が?」と首を傾げてしまうだけだろう。

 だから、どんな物を出品しているか知りたい、なんて言わないで欲しい。見ればきっとがっかりするだけだから。

 6時、そろそろ客足が落ちてきた。5時台の賑わいが嘘のよう。月曜日はいつも夕方までが勝負。週の始まりに本を買う人が少ないのは土地柄なのだろうか。

 開業以来、月曜日に笑った記憶が無い。そんな曜日を「日記の日」にしたのはやはり間違いだったか、と思ってももう遅い。回りだした歯車に待ったをかけるほど、俺はヤボじゃない。

 7時半、数日来ガタガタになりっぱなしの文庫本の棚を補充しているところへ、写真集担当のSさんがやって来た。エイプリルフールなので、何か気の効いた嘘でもついてやろうという魂胆が見え隠れしている。ホラホラ、尻尾が見えているぞ。

 9時半、アダルトビデオのお客さんが来たが、お目当てのものが無かったらしい。見事不発に終り、気もそぞろにシャッターを降ろす。

 よく考えてみると、俺は一日9時間しか店を開けていない。大手ならともかく、俺のような矮小なところでは自殺行為とも言えるほどの短さなのではなかろうか。

 ならばいっそ、10時半から7時までの営業にしたほうが、余程効率的なのではなかろうか。

 月曜といわず金曜といわず、夜7時以降の利益など、たかが知れているのだから。と思っても、なかなかそうはいかないのが実情。だって、女房・子供もいないのに、そうそう早起きなんかできるものか。

 この辺の心情は、独身者にしか伝わらないかも知れないけどね。

 本日の売上=7860円(16人)
 内訳(
 少年漫画?3130円、
 少女漫画?530円、
 一般書(小説等)?3000円、
 雑誌?1300円、値引き?100円)
 買取=11670円(9人)
 現金残高=?3810円
 来客数38人
 レジ打ち16人
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