2003/04/28

4月28日(月)

 「松井はどのくらいヤリますか」

 という質問をよく受ける。実を言うと私は、古本屋の顔の他に低次元プロ野球解説者の顔を持っている。どのくらい低次元かというと、まずここ10年以上優勝チームを当てていない。1989年には、日本シリーズで3連勝し優勝に王手をかけた近鉄に「優勝決定」の太鼓判を押した直後に4連敗を喫し、大枚10万円の損失をこうむった。

 「これで優勝できなかったら、なんでも好きな物10万円分買ってやらぁ!」と、友人の前で壮語したあの晩秋の日を昨日のように覚えている。

 また、とっくに引退した選手を首位打者の候補に挙げてしまった事もあれば、日本ハム時代の落合をホームラン王の候補に挙げたり、果ては外木場の現役復活を言い出す始末である。こうなると、予想ではなく、タチの悪い予言である。

 そういう私に「松井は」と聞いたって、まともな答えが返ってこよう筈が無いのである。

 「まず、打率は6割。ホームラン200本で、打点は600。まぁ一年目はこんなもんだろう。だが、二年目にはゴールデングラブ賞と沢村賞を受賞する。正力松太郎賞からは漏れるが、敢闘賞はとる。ハットトリックで引田天功もびっくりする」 とまぁ、こんな按配である。

 もう、アメリカなんかに行ってしまったヤツはどうでもいいというのが本音なわけです。

 「うーん。やっぱりこっち(アメリカ)は、野球、じゃなくて、ベィスボール、なんですよね」なんて言っているヤツ(イチローとか)は大嫌いなんである。野茂のように、海外でしか野球が出来なくなってしまったヤツは別として、ただ名声を求めて海外に渡ったヤツはイケスカナイのである。しかも、メジャーリーグでしょう。台湾じゃダメなのか。韓国じゃダメなのか。・・・まぁ、そこは野球のレベルを考えれば当然だけどもさ。

 野球はメジャー、映画はハリウッド、古本はまんだらけ。それでイイノカ!イイノカァァァ! 以前から言っているように、私はいつの頃からか「千葉ロッテ」を応援している。特に確たる理由もなく、ただただ盲目的に千葉ロッテを贔屓にしている。齢35にもなると、ロッテの商品を買うこともないが、一日に一度はロッテのことを考えている。

 記憶を辿ると、私は幼少の頃からロッテを見ていた。一番古い記憶は、7歳の時に宮城球場で父親と見た「カネヤンダンス」だ。あの、ベース付近で踊っているおっさんは一体誰かと父親に尋ねた記憶がある。そしてそれが監督だと知った時の嘘臭さをよく覚えている。そして、じゃあ何故、一方の監督は踊らないのかと不思議に思った。反対のベースの所で踊らないと選手がやる気にならないんじゃないか、と。つまり私は、カネヤンダンスを見て、それがショーマンの金田監督が選手にサインを送っているパフォーマンスとは知らずに、選手を応援しているものと思い込んだわけである。 後年、若者達に自分が確かに見た「カネヤンダンス」を教えても、誰も信じなかった。

 「川村先輩がまた嘘をついている」

 「嘘をついているわ」

 「嘘だよね」

 「嘘よ嘘よ。絶対に嘘よ」

 「てゆーか、チョーキチガイ?みたいな?」

 「部長に報告しなくちゃ」

 「報告よね」

 「報告だわ」

 「報告よ」

 「うーむ。川村君は情緒不安定なようだな。よし、くびにしよう。そして古本屋にでもなってもらおう。嘘が好きでキチガイならば、うってつけの商売だろう、きっと」

 このように、我が身を犠牲にしてでも千葉ロッテを応援しているというのに、ヤツラときたらまるで私の期待に応えてくれない。

 まぁ、いいけどね、別に。

本日の売上=4910円(12人)
内訳(
少年漫画=2350円、
少女漫画=1510円、
一般書(小説等)=800円、
雑誌=250円)
買取=2970円(2人)
現金残高=1940円
来客数不明
レジ打ち12人
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2003/04/21

4月21日(月)

 去年も同じような事を書いたが、当店は本日をもって2年目終了である。人間風に言えば、満2歳というわけだ。で、2周年記念のような事をやろうと思ったが、面倒くさいしそれほど力を入れて祝うような事でもないので、気持ちだけやった事にして、やめてしまった。

 大体にして、祝ったところで人なんか来ようはずが無いし、仮に来られたとしてもかえって迷惑だ。そもそも、こういう店側の勝手な祝い事というのは、一人でジンワリと噛み締めていればいいのだ。そしてニヤリと笑っておればよいのだ。

 さて、前回に引き続き熊本の「まーぶる書房」さんの話である。ヨソ様のお店をネタにして2週間も話をもたせようという姑息な意図ではない。決してない。絶対にない。

 実は、キラリアン殿の彼女である黒猫ミーさんからメールを頂いてしまった。私にとっては、ファンレターの返事が返ってきたような感動があったのである。怒られるのを覚悟で言うと、まーぶる書房さんのHPにある2つの日記で、私にとってどちらが興味深いかと言うと、実はミーさんのほうの日記なのである。

 ミーさんの日記は、「キラリアン殿とまーぶる書房」のもうひとつの側面を見せてくれるのである。キラリアン殿の性格や行動を温かく見つめているのがよく分って、読んでいて本当に心が温まる。

 今までは朝一番のHPチェックは、北海道の「じゃんくまうす」さんの日記から始まっていたのだが、このところはずっと「まーぶる書房」さんのミーさんの日記から始めるようにしている。そうしたほうが、私の心も優しくなれる事に気付いたのだ。

 お陰で近頃は、一日に追い返すお客さんの数が10人から8人と、二割も激減した。これは明らかに「まーぶる効果」であると言っても良いと思う。「じゃんくまうす」さんの日記は、一行目がサムくて・・・。

 と、今ふと思い出し、ミーさんの日記を見に行ったら、もう更新されていたので読んでみたら、また泣ける内容。キラリアン殿が自分の宝物の本を売ろうとして、それをミーさんが止めたとの事。売るほうの気持ちも、止めるほうの気持ちも良く分るっすよ。ぐうう、泣ける!泣くよ、もう。

 私が開業するときにも、コレクションを放出したのだが、あの時本当は「俺も泣いたよ」。一緒に泣いてくれる人がいなかったから、一人で泣いたよ。私の時には、涙を流してくれる愛しい人のかわりに、ヨダレを流したコレクターの人たちが来たのだ。もっとも、その人たちも帰りには(大金をふんだくられて)泣いていたが・・・。

 そう言えば、2日ほど前、「じゃんくまうす」さんのHPが表示されないと言う事件がありました。最初のうちは、「一時的に何か不具合でも起きたのか」と思っていたのだが、何度やっても変なページが表示されて、とうとう一日見ることが出来なかった。

 その晩、私は思った。

 そういやァ、目録作業が遅れているとか、言ってたなぁ。売上も良くないっていつも言っているし・・・。昨日まで元気だった人が、フイといなくなったりする話もよく聞くし、耳に水が溜まってるってのも放ったらかしのようだし・・・。

 まさか!・・・いやいやいやいやいやいやいやいやイヤ、イヤ。・・・でももしそういうことでアレだったら、せめて残された在庫と顧客だけはオレが一手に・・・あー!いやいやいやいやいや!

 不安な一夜を過ごし、翌朝、またHPをチェックしたら、無事復旧された様子で、「チェッ」じゃなかった「ホッ」。一行目のサムさも、今日ばかりはうれしい感じ。ところが、中にナニやら怪しい一文を発見した。

 「EASYSEEKの注文が少なくとも100件は入っているハズ」だって?マジすか?ねぇ、それってマジなんスカ?だとしたら札幌の税務署はドメクラだぁぁぁぁぁ~!

本日の売上=5180円(10人)
内訳(
少年漫画=2430円、
少女漫画=700円、
一般書(小説等)=600円、
雑誌=1450円)
買取=2330円(3人)
現金残高=2850円
来客数20人
レジ打ち10人
俺の店にくるならば、ゼニを持たずに来るのはやめなさい。失礼じゃないか。
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2003/04/14

4月14日(月)

 熊本の「まーぶる書房」さんの日記に涙する。

 店主のキラリアン殿は、この4月に「キララ文庫」さんから独立されて、自らの店を立ち上げた。私はキラリアン殿とは直接的にも間接的にも面識が無いのだが、随分前から日記だけはチェックしていたので、独立の経緯だけは大まかに知っていた。

 独立に際して大分悩まれた様子だが、結局は漕ぎ出した。10年以上も古本業界に身を置いていらしたので、独立する事で発生する様々な艱難も予想できたと思うが、それでも漕ぎ出した氏には賞賛を惜しまない。本当に凄い勇気だと思う(私は何も知らずに飛び込んだクチ)。

 日記を読んでいて、私の開業当時の苦難を思い出し、涙が出た。そうそう、カネがねぇ、スルスル、スルスル出ていくんだよね。止まらないんだよねぇ。どこか漏れてるんじゃないかと思うくらいカネが出て行く。

 当時を思い出しているうちに、だんだんキラリアン殿が他人に思えなくなって、BBSに応援のメッセージを書こうと思った。だが、ふと思いとどまった。そういえば、当時やたらに「ガンバレガンバレ」と言われ続けて、なんだか無償に腹が立ったのを思い出したのだ。

 言われなくともガンバッとるがな!と。やっとるがな!と。さらには、お前等そんなに言うなら、カネでも出さんかい!とまで思ったものだ。無責任に尻叩きおってからによぉ!言うだけならタダじゃけんのぉ、そら言うわなぁ、言うといて損は無いし、あわよくば恩も売れるてか!ええおい!どいつもこいつも!だいたいやなぁ・・・

 我ながら、よくぞここまで荒みきったものだと思う。敢えて自己弁護させていただくと、当時は日々の買取やその他諸々の出費がかさんで精神的にかなり追い詰められていたのだ。金銭的な問題は今でも相変わらずだが、自分自身かなりずるくなって、状況によって買取り金額を抑えるなどの知恵をつけたので、当時ほど追い詰められる事は無くなった。なので、最近では例え不遇の目に遭ってもさほど揺れなくなり、出て来る台詞も英国紳士風のまま安定した。

 キミ、無責任に努力を強要してはいけません。もし本当に応援をしたいのならば、黙って本を買いなさい。ホラ、この本なんかどうですか。10万円で良いですよ。おや、お買い求めにならないのですか。それは仕方ありませんね。お出口はそちらですから、2秒以内に退店していただけますか。ワタクシは大変に忙しいのです。

 キラリアン殿のいいところは、メソメソしながらもグイグイと前に進むところだと思う。もし自分だったら、ああは行かない。きっと、浜田省吾のように何もかも投げ出して海岸線をバイクで走り出しているだろう(無免許だが)。実際、HPでの注文が減ったと言っては更新作業を投げ出し、店売りが悪いと言ってはCRピンクレディーにすがったりして来た。YAHOO!オークションで50連敗したといっては「じゃんくまうす」さんの悪口を日記にしたため、EASYSEEKが売れないと言ってはラーメン屋で飲んだくれた。バンド用に作った歌はマイナー調になり、路上で売る詩集は絶望テーマに染まったりもした。

 さらに、キラリアン殿のラッキーなところは優れた相棒がいる事である。私の場合は全部一人なので、良い事があったときには独り占めできて最高なのだが、厭な事を二分できないのが淋しいところ。まぁそれはいいとしても、作業を二分できるのは何より強い。実際に一人で作業すると良くわかるのだが、非常に辛い。大袈裟に言うと、一人では何も出来ないに等しい。一度シャッターを上げれば外に出られなくなり、細かい用事も果たせないし、煮詰まっても気分転換すら出来ない。せめて空でも飛べれば、ワッハッハと解決できるのだが、生憎まだ飛べない。誰か、「タダで手伝う」と言ってくれる人はいないだろうか。もっと欲を言えば、「カネを払ってでも手伝いたい」と言ってくれる人がいると最高なのだが。じゃあ結婚でもすればいいじゃないかという人もいるが、ロックンローラーとしての価値観がそれを許さない。THE MODS風に言えば、ハマースミスに電話をすれば切符をくれるが、その行き先は俺たちには似合わないと言うわけだ。

 店を持つと言うのは、本当に不便なものだと思う。色々と自由がききそうでいて、その実まるで自由にならない。良かれと思って何でもやるが、どれもこれも実を結ばない。そのくせ全然期待していないところが伸びてきて、時にはこちらを慌てさせてくれる。ダメかと思うと立ち直り、良いかと思うとダメになる。やめてしまおうかと思う事もあるけれど、ダメなりに良い所もあるから見捨てられない。まるで、デキの悪い息子のよう。

 僅か二年ばかりの新米がナニを偉そうに、と思う人もいるかもしれないが、二年なりに辿りついた現在の偽らざる心境である。

 とにかく私は「まーぶる書房」さんを陰から応援するのだ。面と向かって言われると邪魔くさいだろうから、あえて(決して届きそうも無い僻地の)ここから、静かに声援を送らせていただくのである。

本日の売上=8950円(12人)
内訳(
少年漫画=1550円、
少女漫画=2350円、
一般書(小説等)=4700円、
雑誌=350円)
買取=3550円(3人)
現金残高=5400円
来客数不明
レジ打ち12人
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2003/04/07

4月7日(月)

 今日は朝から千客万来。なんか嘘臭い程ぞくぞくと人が来た。常連客が全員来たと言っても過言ではない程だ。逆に言うと、今日来なかった人は常連客ではないとも言える。しかも皆、ほぼ同じ時間に来た。

 こういうのはどうなんだろうか。何かこういう感じには空恐ろしさを覚える。ドラマの最終回などで、キャラクターが大集合するヤツがあるが、あの終局感に似ている。

 「ああ、俺の店もそろそろ最終回なのかねぇ」と、これまでのシアワセな日々を思う。いや、ひょっとして、店が終わるのではなく、俺の寿命が尽きるのかも知れないが。

 考えてみれば、去年の今頃はおおよそ毎日こんな感じだったような気がする。少なくともレジ打ちが20人近くまでいく事は珍しくは無かったような気がする。それがいつしか15人を切り、10人を切り、現在では平均5人。それが今日一気に3倍にまで跳ね上がってしまった為、「来過ぎ」な印象を受けてしまったのだ。

 こういう日はとことん人が来るもので、なんと閉店時間をとっくに過ぎた夜11時過ぎに裏口を叩き「買取をしてくれ」と来た馬鹿者までいた。「するはずねぇだろ」と言ってドアを閉めたが、ああいうのは一体どういう神経の持ち主なのだろうか。(それを口汚く罵るこちらの神経にも問題はあるが)

 以前、「じゃんくまうす」さんの目録にこの日記を出張させると書いたが、それの〆切りがそろそろ近付いている。「じゃんくまうす」さんの日記を見ると、まだ少し余裕がありそうなので、あまり慌ててはいないのだが、いざ文字数を限られると結構難しくて、まだ半分くらいしか出来上がっていない。まぁ、あと数時間もあれば完成しそうなので、こちらは問題は無い。

 だが、ひとつ重大な問題があることに気が付いた。これは結構重要だ。国家的規模の最重要案件である。それに気がついた時、思わず「議長!」と手を挙げてしまったほどだ。

 実は今回の寄稿にあたって、「原稿料」を頂いた。だがしかし、それは現金ではなく、「本」。現物支給というわけだ。それはいい。こちらも本屋である以上、カネを貰うも本を貰うも同じ事。

 だが、なぜかそうして頂いた本が一向に売れる気配を見せないのだ。俺は騙されているのか。原稿料にかこつけて、不良在庫を押し付けられたと言う事なのか。それとも単に、私に販売力がないということなのであろうか。

 その本のタイトルを記すと、「じゃんくまうす」さんとしては、かなりダメージがあると思うからあえて記さないが、ぜひ見解を示していただきたいのです議長。

 返答次第では、今後発行される目録毎号に本欄を強制的に連載する事も視野に入れて対応させていただく事となる次第です。

 議長!議長!議長ぉ~。

本日の売上=15950円(15人)
内訳(
少年漫画=6200円、
少女漫画=700円、
一般書(小説等)=8950円、
雑誌=100円)
買取=6240円(9人)
現金残高=9710円
来客数32人
レジ打ち15人
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